島岡達三・塩釉縄文象嵌水差 解説 A-07
島岡達三・塩釉縄文象嵌水差 解説
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塩釉縄文象嵌水指( 壷高さ:17.5㎝/ 島岡達三 作)
◆島岡達三(1919-2007)
東京工大窯業学科卒業後、濱田庄司に師事し昭和28年栃木県益子に窯をひらき独立しました。組紐師だった父親の組紐※1を器面にころがし、押しあとに化粧土をうめるという独自の縄文象嵌技法を確立し、平成8年人間国宝となりました。島岡達三の縄文は紐を単に押しつけるのではなく、くるくると回しつけることによってできる微妙な線のズレが作品に趣を与えています。
※1.組紐の材料は絹です。この材料の特性により、押し跡が柔らかく仕上がります。
◆「塩釉」とは・・・
塩釉とは陶磁器の装飾技法のひとつです。1300℃まで温度をあげた本焼きの窯の中に塩を投入し、燃えた塩から発生するソーダガスが素地中の珪酸分と化合してソーダガラスを生み、それが器の表面に粒状で且つ艶やかなガラス質の被膜を作りだすというものです。ただし、その塩を投入する方法は、半分に割った竹の中に塩をのせ竹を窯の中に差し込んでまき散らす手法です。この技法により粒や発色がそろって端正に仕上がります。その端正さは縄文象嵌の意匠と結びついて、決定的に濱田の塩釉とは異なった境地を切り開いています。塩釉による発色は、多くの場合「青色」になることが大半ですが、素材や焼成雰囲気の違いにより本品のように「茶褐色」になる場合もあります。
◆水指蓋(根来塗)/松﨑融 作
黒で中塗りした上から朱色で上塗りをすることで、朱色の下から黒色がところどころ見える塗り方を根来塗と言います。逆に、朱色で中塗りして黒色で上塗りしたものを曙塗と言います。根来塗には、朱を塗らずに黒のまま仕上げる「黒根来」や、上塗りした朱を磨き上げて黒の模様を出した「京根来」があります。黒根来は茶道具として珍重されています。本品は、前者の「黒根来」になります。


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