島岡達三・地釉縄文象嵌壷 解説 A-06
島岡達三・地釉縄文象嵌壷 解説
△ 地釉縄文象嵌壷( 壷高さ:50㎝/ 島岡達三 作)
◆島岡達三(1919-2007)
東京工大窯業学科卒業後、濱田庄司に師事し昭和28年栃木県益子に窯をひらき独立し
ました。組紐師だった父親の組紐※1を器面にころがし、押しあとに化粧土をうめると
いう独自の縄文象嵌技法を確立し、平成8年人間国宝となりました。島岡達三の縄文
は紐を単に押しつけるのではなく、くるくると回しつけることによってできる微妙な
線のズレが作品に趣を与えています。
※1.組紐の材料は絹です。この材料の特性により、押し跡が柔らかく仕上がります。
◆「地釉」とは・・・
地釉とは益子では並白と呼ばれる透明釉で、島岡達三は当初益子産出の寺山土と土灰
を混ぜたものを使っていましたが、やがて佐野の赤見陶石と土灰を混ぜたものを使用
していました。成形された器に組紐を主とした縄文を彫り付け、白土を象嵌して模様
が作られますが、その器胎を艶やかで且つしっとりとした透明の釉調で包むのがこの
地釉です。地釉の成分の中のカオリンを補強すると白い濁りを生じて、全体の釉調は
半透明のマット調になります。この調合次第で、象嵌模様と地釉の混合文様にするな
ど、微妙な階調による無限の幅ができます。
◆「マルポチ」と呼ばれている縄文象嵌
組紐による縄文は、組紐の種類によって作者が「スジ」「ヤバネ」「ポチ」呼んでいる
ものなどあります。これを単独あるいは組合せて使われます。日本のみならず西洋で
も以前より象嵌技法はありますが、組みひもを使用することにより、曲線形状でも
象嵌を施すことができます。


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